第四章【権力との対峙】(9)学会批判のプロ集団
ふと、考えれば不思議に思われないでしょうか。
創価学会や池田会長についての問題が、週刊誌や月刊誌などマスコミに大々的に取り上げられて、社会問題に作り上げられます。
さらに、それは大きな社会問題であるので、国として放っておくわけにはいかないということで、国会が取り上げます。
そして、公明党と創価学会を政教一致として攻撃します。
最後は池田会長の証人喚問を要求します。
このように、マスコミや国会までも巻き込んで、社会の大問題になる事例は、めったにあるものではありません。それはまた、自然の成り行きでなるものでもありません。
世の中がこれだけ動くという事例は、例えば、煽(あお)り運転によって死者が出て、気の毒な被害者が増加した時などには、自然の流れとして、マスコミが取り上げ、国会が動き、新たな法律ができます。
これは交通事故そのものが、現実に起こった悲惨で理不尽なものであるからこそ、社会問題になったわけです。
創価学会批判のような事柄で、これほど、世の中の大きな動きになることは、他の例から考えても、常識的にはあり得ないことです。
まして、事実ではない作り事によって、これだけの大きな社会問題になることは、まさに、異常としか言いようがありません。本来は、あり得ないことが、創価学会については起こるわけです。
言うまでもなく、誰かが意図的に行ったものです。マスコミや国会議員の関係者に聞いてみると、
「これだけの大きな流れを作ることができるのは、よほど大物でなければできない。ましてや1人だけでは無理」
誰もが口をそろえて言います。
これは現場で働いている人だからこそ分かる実感です。
マスコミがそんなに簡単に動くわけがありません。ましてや国会議員が動くというのはよほどのことです。
実は、学会に対するこれまでの社会問題化した事件を調べてみると、驚くべき事実が分ります。
それは、全ての事件において、中心的な役割を果たした人物の名前を挙げると明確になります。なんと、全ての事件において同じ人物が必ず出てくるのです。
人数は5人前後です。
もし、創価学会に対する社会問題化した事件に対して、当然、学会側に悪い原因があると思われる人は、過去からの、何度も繰り返された同じようなパターンの事件を調べてみてください。全部、同じ5人前後の人物が、事件を社会問題化させ、政治問題化させる運動の推進力になっているのが分るでしょう。
そうすれば、学会が起こしたと大騒ぎをした様々な事件は、実は全部、嘘であって、この5人組がでっち上げたものではないのか、という疑惑に思い至るでしょう。
真実は、その通りなのです。
この5人組とはどのような者なのかと、言いますと、大した人物?がそろっています。
元創価学会顧問弁護士、元創価学会教学部長、元公明党議員、元学会員のフリージャーナリスト、元新聞記者などです。
全員に共通していることは、創価学会に憎悪感情を持ち、学会の発展を阻止するどころか、壊滅することを仕事や人生の目的にしている人たちです。
この顔ぶれを見れば、創価学会問題として世の中で大騒ぎをさせる事が十分に可能であることがわかります。
逆に言えば、このレベルの人物がそろっていなければ、国会まで巻き込んで、創価学会攻撃をするというようなことができるわけがないのです。
この5人組は創価学会攻撃のプロなのです。学会批判の原稿料などでメシを食っているのです。
創価学会が正しいとか、正しくないとかは関係ないのです。メシを食うためと、個人的な憎しみと恨みを晴らすために攻撃をするのです。
正義という言葉が通じない人達に他なりません。
彼らの手口はいつも同じです。
まずネタ探しから始めます。どこかに、創価学会や池田会長から被害を受けたような人物がいないか、網を張り巡らして情報を集めます。
内容的には、社会問題化しやすい、女性、金銭、暴力、政治問題などが扱いやすいのです。
やがて被害者を見つけ出しますが、この時、重要なポイントがあります。それは、被害者であると名乗り出た人物が、「被害を受けた」と嘘をついていることを百も承知の上で、取り上げるということです。
5人組にとっては、被害が事実であろうが虚偽であろうが関係ないのです。
虚偽であることが社会的に証明されるまで、徹底的に学会を攻撃できれば、それで目的を果たせるわけです。
さらに、裁判で明確な学会側勝利の判決が出ても、「司法関係者に学会員がいて不当判決を出した。一部は真実として認定された」などと言って、疑惑は解決されずに残っているようなイメージ作りをするのです。
そのやり方は、まず最初に、「ひどい被害を受けた」と裁判を起こします。言うまでもなく、内容的には世間を驚かせるような異常なものが適します。
現今の風潮として、裁判を起こした被害者の方に正当性があるという見方をするのが通常ですから、世間に、創価学会や池田会長が被害を加えたと思わせることができます。
裁判の手続きや実行は、元顧問弁護士が様々な作戦を練りながら遂行していきます。専門ですから簡単なことです。
次に、元新聞記者や元学会員のフリージャーナリストが、マスコミに情報を提供します。
この二人は、マスコミ関係の内情を知っている人ですから、掲載誌がよく売れるような事件の内容を作り上げて垂れ流します。
さらに、テレビなどのマスメディアにも取り上げられるように、記者会見などの段取りもします。
そして、元教学部長などが登場してきて、「創価学会や池田会長には確かに被害を加えるような可能性がある」と言うようなことを宣伝します。
さらに、元公明党議員が出てきて、「池田会長や学会のために、本来なら政治家としては、為してはいけないこと、すなわち、創価学会の不正を隠蔽(いんぺい)した」などと証言します。
その後は、一連の流れを途切らさないように、提供する情報を操作しながら、反学会キャンペーンを世の中に広げていくようにします。
最後には、元公明党議員などが、現職の国会議員に働きかけて、学会攻撃の週刊誌などをもとに、国会で追及するように働きかけます。
公明党の発展に危機感を持っている政党や議員が飛びついてきて、ここぞとばかり政教一致を社会問題にして、国会で取り上げるのです。
そして池田会長の証人喚問を要求します。
これが、これまでに起こされた、社会問題として出てきた創価学会問題の実態なのです。
「月刊ペン事件」や「信平狂言訴訟」などは、まさに見本のようなものです。
池田会長から被害を受けたという「事件」は全て、まったく根拠のない大ウソだったのです。
それを大々的な社会問題や政治問題にまでねつ造することができたのは、首謀者が創価学会批判のプロ集団だったからに他なりません。
ところで、いまだに、創価学会と暴力団とが関係していて、黒い付き合いがあるというようなデマを、もっともらしく流す人がいます。
実は、暴力団とのデマ話が流されるようになった原因は、この5人組の中にあったのです。
5人組が、学会攻撃の様々な陰謀を企てる中で、不祥事を起こしたりした時などに、暴力団とのつき合いが始まっています。またもともと、5人組の人脈の中にも暴力団関係者がいました。
そして5人組との関係で行った、ちょっとした、個人的な学会幹部と暴力団員との出会いを、あたかも創価学会が暴力団に不祥事をもみ消してもらうように頼んでいるようなデマにして宣伝しているのです。
この意図は、
「創価学会は、表向きは、人々の幸せや社会の平和などと唱えているが、裏では、都合の悪いことは暴力団に頼んで解決してもらっている組織だ。実態は、暴力団に支えられて成り立っている反社会的な黒い宗教団体だ。それを一般会員には、ひた隠しにしている」
というイメージを社会に植え付けようとするものです。
学会批判者が大昔からやっている、使い古された手口です。
ちなみに、右翼団体との関係についても同じような事が言えます。
要するに、学会関係者が、ある程度の幹部であることによって、その事件が学会の指示で行われたものか、それとも個人の判断で行われたものか、世間的には分りにくいことを利用して行っています。
当然ながら、学会本部が反社会的な団体との取引や刑事事件になるようなことを、幹部に指示するはずがありません。しかし、学会批判者には好材料となって、学会本部や池田会長と関連させて、攻撃の玉に使うのです。
その他の同様の例としては、共産党委員長宅に行われた「宮本顕治宅盗聴事件」や学会幹部が恐喝事件で逮捕された「Yahoo!BB顧客情報漏えい事件」また、創価大学副学生課長が関係した「携帯電話通話記録窃盗事件」などは、この類の事件です。
ところで、この5人組は、創価学会が日蓮正宗を分離することになった過程の中でも、暗躍をしています。
創価学会と日蓮正宗との分離については、形式的には、平成3年(1991年)日蓮正宗が創価学会を破門したことになっています。
ところが実態は、日蓮正宗は学会員がいなくなることによって、実質的には学会の100分の1くらいの勢力になっています。
1%の勢力しかないものが、99%の勢力に対して、破門したというのは、実際の勢力図からすれば、おかしなものです。
実体的には、創価学会が日蓮正宗を分離したと表現した方が的確であるといえます。
特に、創価学会は宗教法人として独立した認可を受けていましたので、破門されるいわれなどはなかったのです。
破門の翌年、月刊誌文芸春秋(平成4年2月号)に日蓮正宗の管長である富士大石寺の住職が書いた文章が掲載されました。
それが大々的に宣伝されて、電車の吊り広告などにも見出しが大きく印刷されていました。
学会員も、そうでない人も、仏教の1宗派の管長の文章が文芸春秋に掲載されることに違和感を覚えました。
そして何より驚いたのが、その見出しです。
「創価学会員に告ぐ」
これでした。
少し日本史に興味がある人であれば、この見出しからすぐに歴史的大事件を連想したでしょう。
それは、昭和11年(1936年)に起きたクーデター未遂事件、2.26事件のことです。そして、籠城した若い兵士たちに、隊への帰還を呼びかけた放送「兵に告ぐ」を思い出したことでしょう。
「兵に告ぐ」は、最高権力者である天皇の意向として、謀反を起こした反乱軍に対する降伏命令です。
「創価学会員に告ぐ」は、連想通り、日蓮正宗管長の、池田会長にだまされて謀反人になってしまった創価学会員に対する、宗門帰還への命令でした。
時代錯誤も甚だしいというか、良識ある人から見れば正気の沙汰ではない、と思われる内容のものでした。
本来、単なる仏教の一派である日蓮正宗の管長が、元信者に対して書いた文章が、月刊雑誌に掲載されること自体が不思議であり、異常なことです。
通常であればあり得ないこのようなことを可能にしたのが、マスコミにも太いパイプを持っていた、他ならぬ5人組だったのです。
その目的は、信者を日蓮正宗の自由にさせてくれない池田会長を失脚させ、創価学会を丸ごと宗門がのっとって、ぼろ儲けをするつもりでした。
当然ながらその作戦は、完全な失敗に終わりました。
5人組は、池田会長や会長に従うような創価学会を壊滅させるためであれば、常識や良識では考えられないようなことを平気でやってのけるプロ集団なのです。
しかしながら、たちの悪い学会攻撃をメシの種とし、生活の目的にしていた5人組も、生老病死の無常の風には、太刀打ちできませんでした。
年を取るとともに、体は老衰し、病気がちになってきました。
それで、最後の大勝負に打って出ました。
それが、「東村山市会議員、朝木明代転落死事件」です。
事件は平成7年(1995年)9月、東京都東村山市で起きました。
東村山市議会議員であった朝木明代議員が、西武鉄道東村山駅前のビルの5~6階から転落死しました。
東村山警察署と東京地検は、捜査の結果、自殺と断定しました。
本来であれば、転落死は、「事件」ではなく自殺と捜査機関が断定したわけですから、これで事件性も否定されて、全て終了のはずでした。
ところが、9月23日号の『週刊現代』に亡くなった朝木議員の夫と娘が登場してから、状況は一変しました。
記事の内容は、
「明代は創価学会に殺された」
「創価学会はオウムと同じ」
「自殺したように見せて殺すのです。今回で学会のやり方がよく分りました」
「妻が万引き事件で逮捕されたことも、学会におとしいれられただけ」
「万引き事件で悩み、それが原因で自殺したというシナリオを作ったのです」
というものでした。
「万引き事件」と言うのは、朝木議員が7月に、洋品店で万引きした疑いで書類送検されており、数日後に検察へ出頭しなければならないことでした。
万引き事件を学会側がねつ造したと訴えていましたが、洋品店側は学会の関与を明確に否定しています。
このような記事が出てきた背景には、朝木議員が生前に、公明党と対立したり、創価学会の脱会者の救済活動をしており、議会においてしばしば学会や公明党を追求していたことが挙げられます。
この記事が出てから、「創価学会謀殺説」に驚くほど多くの反創価学会の組織や個人が群がってきました。
特に、5人組の中の1人は、東村山市出身で、亡くなった市議の人脈の中で、仕事もしていた事もあって、激しい学会攻撃を行いました。
その媒体として多くのマスコミも登場してきました。
『週刊現代』『週刊新潮』『文芸春秋』『フォーカス』『東村山市民新聞(地元紙)』
などに、創価学会がオウムのような暗殺集団であるかのような批判記事が何度も載りました。
さらに、TBS テレビは、『JNN ニュースの森』で2回にわたり、
「極めて不可解な謎」とする特集を放映しています。
内容は、朝木議員側の主張をにじませているものでした。
また、当時、新進党に加わっていた公明党に対立する自民党も、11月の衆参両議院の「宗教法人に関する特別委員会」において、自民党所属の議員が、5人組の中の1人が書いた雑誌記事を根拠にして、
「転落死を自殺にするには疑問な点がある」と質問をしています。
続いて、「創価学会謀殺説」をゴリ押しする宗教団体までも出てきました。
新興宗教団体「幸福の科学」は、系列出版社から、
『創価学会を折伏する! 第2の坂本弁護士事件 東村山市議殺人事件徹底糾弾』を出版しています。
また、5人組の中の元公明党議員は、この時には学会を退会して日蓮正宗の信徒になっていましたが、朝木議員側と連名で、国家公安委員長宛に、創価学会側の関与を指摘した、
「朝木明代怪死事件の真相解明を求める請願」を提出しています。
宗門である日蓮正宗まで、この事件を利用して学会攻撃に加わってきたのです。
日蓮正宗の信徒は各地で、反学会集団の作った『学会はオウムよりも恐ろしい』などと中傷したビラを戸別配布などしたのです。
さらに、宗門の機関誌はこの時とばかり、創価学会が別の犯罪も犯したという、デマ記事を掲載して、全国の公共機関や議員などに送付したのです。
5人組の中で、文章のかける元新聞記者やフリージャーナリストなどは、学会攻撃の記事をマスコミに書きまくって、大金の原稿料を得ました。
その上、元学会員のフリージャーナリストは、『怪死―東村山女性市議転落死事件』という単行本まで出版し、あくどい金もうけをしています。
そしてついには、11月25日に、朝木議員側の主催で、「東村山・朝木市議殺人事件糾弾集会」が東京日比谷野外音楽堂で行われました。主催者側発表で1万2千人が参加しました。
世の中全体が反創価学会の一大キャンペーンに揺れ動いていました。
謀殺説は事実であり、それを創価学会が必死になって、隠し通そうとしている、という異様な雰囲気になってきていました。
「創価学会の方が正しい」と主張できる雰囲気はどこにもありませんでした。
これこそ、5人組を中心とした反創価学会勢力のねらうところでした。
この「事件」に関連しては、膨大な件数の裁判が提起されました。
長くなったものは、平成21年(2009年)頃までも続きました。14年間も争われたわけです。
最終的に、学会が悪質な3件、『週刊現代』『週刊新潮』『東村山市民新聞』の記事に対して起こしていた名誉毀損の裁判は全て学会側が勝訴しました。
『週刊現代』については、最高裁で、発行元の講談社と事実無根のコメントを寄せた朝木市議の夫と娘に対する高額賠償が確定しました。
さらに、悪質なデマを流した日蓮正宗についても、宗門と総本山大石寺の住職に対して連帯して4百万円の支払いを命じる判決が最高裁で確定しました。
「創価学会謀殺説」は、客観的な裁判により、明確に反創価学会側のデマであり、陰謀だったというのが白日のもとにさらされたのです。
膨大な裁判が終わった後、反学会側が宣伝しているのは、
「完全に謀殺説が否定されたわけではない。一部は確定している」
「関係した警察官や司法関係者の中に、創価学会員が多く存在した」
などと主張しています。
これはどこかで聞いた内容です。
これまで何度も繰り返された学会攻撃の歴史の中で、嘘をでっち上げ、創価学会問題として社会問題化し政治問題化した「事件」の結末と全く同じなのです。
あまりにも似すぎているパターンといえます。
それもそのはずで、同じ穴のムジナである5人組、創価学会批判のプロ集団がうごめいていたからにほかなりません。
もし今後、同じパターンの創価学会問題が世の中に出現した時、これまで見てきた反学会勢力に対する、真実を見抜く目で見るならば、「天晴れぬれば、地明らか」なごとくに、全てが明瞭になることでしょう。
ただ、長い裁判の決着がつく間に、5人組のうち、4人が病死しました。
その親族や家族は、亡き人の人生をほめたたえ、幸せで満足な死を迎えたと伝えています。
もちろん、それらの人々の気持ちを否定するものではありませんが、親族や家族は、どこまでも死者と同じ境涯であるといえます。
現在、創価学会本部前でサイレントアピール(前項参照)をしている集団には、5人組の残党が関わっています。この残党は小物であり、大きな反創価学会の社会的なうねりを作れるだけの力量はありません。
間もなく、跡形もなく消え去っていくでしょう。
5人組の消滅とともに、反創価学会運動も大きな変革期を迎えたといえます。
それは、単に5人組がいなくなったことだけではなく、時代の大きな流れも、間違いなく影響しています。
世界的な新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)により、人間社会が地殻変動までも起こすような状況になっています。
創価学会が、どうのこうのと次元の低いことを言う前に、宗教者であろうがなかろうが、人類が一丸となって難局を乗り越えるべき時です。
乗り越えた暁には、蔓延する前よりもさらに素晴らし人間社会が築かれた、と言われるような時代にしたいものです。
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中でも、元教学部長、一挙手一投足、師匠の仕草を真似ていた。初めは、余程、師匠に心酔しているのだなと思っていた。しかし、あまりやり過ぎに見えて、”胡散臭さ”も感じたものだ。自分は次期の会長にでもなれると思っていたのだろうね。