第二章【批判の根拠】(3)カリスマ

人間というのは、哀れといえば哀れですが、また当然といえば当然ですが、物事を認識するとき、これまでの学習の中で得たわずかな知識と、これまでの人生の中で体験した、狭小な感覚の範囲内で捉えようとします。

だから、それを超える存在については拒否感を持ちながら、自らよりも矮小(わいしょう)なものとして把握し、自己満足するものです。
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池田会長に対する批判の中で多いのは、カリスマ的な存在を強調しているものです。これはまるで、既成の事実のような雰囲気にさえなっています。

「カリスマ的な教祖の言うことは絶対的で、会員は皆、無防備に服従して、マインドコントロールされ、だまされている」

などと言っている人がいます。そしてその噂を信じている人も結構多いのです。
マスコミも、池田会長を超人的なカリスマに作り上げて、会員は、
「会長が白いものでも黒と言ったら黒なんだ」
というような組織であるかのように報道したりします。そして会長の鶴の一声で巨大な組織が自由に動かされるような印象を与えています。
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このような池田会長の捉え方は、今までに池田会長のような人物に直接的にしろ、間接的にしろ、全く接触がなかったからにほかなりません。
要するに未知の人物なのです。

そして、自分のこれまでの知識や経験からでは捉えることのできない人物だから、デマ情報を基に、貧弱な空想を働かせて、カリスマ教祖のイメージを持ってしまうのです。

池田会長をカリスマ呼ばわりする批判者は、批判する以上、会長の行動や思想について調べておくのは当然でしょう。
ところが、ほとんど、全く会長の書物や業績について、正確な学習をしていません。中には、単行本の一冊も読んでない人もいます。
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それなのに、マスコミの批判記事やインターネットの悪意のある書き込みに影響されて、口をそろえてカリスマなどというのは、無責任極まり無いことです。

世界の大学の中には、中国北京大学の「池田大作研究会」をはじめ、何校もの学術機関に池田会長の思想、行動を研究する機関が設立されています。
さらに、会長の著作物が大学の教材として使われているところもあります。

軽薄なカリスマ批判をしている人は、自分の知識で、池田会長を批判できるものかどうかを再検討する必要があるでしょう。

会長に何度か会ったことがある幹部や学会本部の職員の中で、学会を退会して逆に、批判をするようになった人もいます。同じ学会批判者ですが、そういう人は会長をカリスマ教祖などという人はいません。
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実際に会長に会った人であれば、カリスマ教祖というイメージとは全く違うことはよく分かっているのです。だから、カリスマ教祖などと言って批判しているのは、人物を見る目の無い人が、全くの空想でイメージを作り上げているに過ぎないのです。

現在の創価学会の組織の中で、最も元気で活躍しているのは、最初に祖父母が入会して、それから親、そして本人へと信仰が受け継がれてきている若い世代です。
学会は今年(二〇二〇年)で、創立九〇周年となりました。
新興宗教と言われた段階から伝統的な宗教団体へと発展を続けています。

こういう学会の状況の中にあってもまだ、今のこの日本で、神がかりな教祖にだまされ続ける人が、何百万人もいると言うのでしょうか。
さらに、欺瞞(ぎまん)的な教えが、祖父母から孫へ、九〇年近く引き継がれているというのでしょうか。
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そのような団体が存在すると思うこと自体が、極めて幼稚です。社会に対する見方また、人間に対する洞察が著しく低いといえます。

社会の中での組織の興亡は中心者、長の力量次第で決まるのは、世の中の当然の道理です。
倒産しかけになった会社の社長を指導力のある人に交代させることによって見事に再建した、という事例はいくらでもあります。
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逆に、どれほど一流企業として世の中に認められていた会社であったとしても、社長の、先を見抜く力がなかったりすると、倒産の危機に直面することもよくあることです。

最近でも赤字経営のため身売りをしなければならなくなった大企業がありました。それが、新しい社長になって一年が経過すると黒字になったということでも話題になりました。

リオデジャネイロのオリンピックにおいて日本は、過去最多のメダルを取りました。その中で、四年前のロンドン大会から大幅にメダルが増えた種目が注目されました。
柔道と水泳のシンクロでした。

柔道は、七個から十二個に増えました。シンクロは、全く取れなかったところから二個を獲得しました。
どうして躍進したのか、理由は明快でした。指導者が変わったからにほかならなかったのです。
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この原理は、国という単位で見ても同じです。
日本という先進国が、一人の人間によって命運が大きく変わるものではない、と誰でもぼんやりと思っているでしょう。

ところが、平成二一年(二〇〇九年)、圧倒的勝利で民主党政権が誕生した時のことを思い起こせば、一人のトップの指導者によって団体も国も変わってしまうのだということを体験しました。 

民主党政権は、有権者がマスコミに扇動され、調子に乗ったあげくに誕生したともいえるものでした。
そこで選ばれた一人の総理大臣によって、国としてどれほど大きな損失を被ったことか、はかり知れません。
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それがまた国民一人ひとりの生活に直接的な影響を与えたことは、国の一人の長である総理によって、世の中が変わるものだということを骨身にしみて感じたことでした。

「自公連立政権がそれほどよいとは思わないが、野党に政権を取らせて、国がボロボロになるより、はるかに良い」
これが国民の実際の感覚です。

このことからも分かるように、団体の長である一人の人間の影響力というのは、その団体の命運を決めてしまうほどのものです。
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創価学会がこれだけ発展したのも、ひとえに代々の会長の尽力のたまものです。
現在、学会員は全世界で一千万人を超えています。たいていの新興宗教というのは信者数を大幅に水増しして発表し、誇大宣伝をするものですが、一千万人以上の学会員は誇大でもなんでもない実数です。

一千万人の組織が、カリスマ、洗脳、絶対者、教祖、服従、マインドコントロールなどといった言葉から出てくるようなもので、長期に渡り維持、運営、発展ができるわけがありません。

学会の発展は言うまでもなく、代々の会長が、筆舌に尽くしがたい労苦を耐え抜いて築き上げたものです。
それは、人生と命をかけた事業でした。
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本来なら、池田会長を批判するのであれば、一千万人の組織を築き上げて言うべきでしょう。そうすれば、批判にも十分に耳を傾ける価値が認められます。
しかしおそらく、会長をカリスマなどと言って批判する人は、二十人ほどの会社でさえ立ち上げる力もないでしょう。

相手の人の立場が、どのようなものであるかを理解するためには、同じ立場に立ってみなければ、真実のことは分からないものです。
それができないのであれば、謙虚な気持ちになって、学会のことを研究するべきでしょう。
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実際、どうして創価学会がこれほど発展し、存続し続けているのかを不思議に思い、学問的に研究している社会学者が、日本にも世界にも数は少ないがいます。
その研究結果は、学会の実像に迫ってきています。

カリスマなどと、幼稚な学会批判をして得意になっている人は、これらの研究成果のほんの一部でも真摯(しんし)に学ぶべきでしょう。